中学1年生の秋頃になっても、いや2年生になってからでも計算がでたらめな生徒がいます。
私はこうした生徒を担当する機会が多いのですが、彼ら彼女らに対し、私が最初に行う指導の一端をお話しします。
①まず、(+3)+(-5)、(-2)-(-6)の計算をやってもらいます。
②次に、+3-5、-2+6 の計算をやってもらいます。
①②でつまずく場合は、数字を色々替えながら問題を作り、次々とやってもらいます。
こうしたキャッチボールのような繰り返しは、時間がかかりますが、+-が記号なのか符号なのかを認識させ正しい計算をできるようにするために、とても大切な演習になります。
その後、学習が進んで文字式の計算に入ると、次のような計算ミスが目立ちます。
-3(2x-5)=-6x-15
ここで符号の再認識をさせます。
-6xの-は-3の-がついたものではなく、(-3)×(+2x)=-6x となるから-となっている。
だから、(-3)×(-5)=+15 となり…
正解は、-6x+15。
数学の非常に苦手な生徒は、私たちが普通考えられないような思い違いをしている、というケースがあるのです。
そこを正してあげることで、間違いの少ない計算ができるようになっていきます。
「+-は記号か符号か?」はどうでもよいことのように思えます。しかし、そこを認識
させることによって、学力が更にワンランク向上することもあるのです。